東京中小企業家同友会渋谷支部
月刊新聞 パルパル 2012年12月号

「新米社長奮闘記」VOL.7　～健康な生活～

今年の１１月頃から急に寒さが身にしみるように感じるようになった。 加齢のせいなのだろうかと思うと恐ろしくなる。

ここ５～６年前からか、足裏から全身も含め、マッサージや身体を労わることをしてくれる店舗が増えていると感じるのは私だけだろうか。 利用している地下鉄市ヶ谷駅の中にもあるし、新宿・渋谷等はどれだけあるのかと思う。

しかし、そういうものは機械がやるのではなく人が一人つきっきりなので、どうしても安くはない。 おおよそ３０分３０００円、６０分６０００円と言うのが通常かと思う。 これを高いと感じるかそうでなく感じるかが問題である。 私にはそのような価格はとても高く感じられた。 母が「私は肩なんかコラナイ。マッサージなんか気持ち悪い。」と私が子供から大人になるまで聞いていたので、 「肩は凝ってはイケないし、そもそもうちの家系は凝らないのだ。」と解釈していた。 しかし、これは大きな誤解だった。 私は子供のころから大好きなピアノを弾いていたが、ピアノを弾くと背中に鉄の板が入ったようになるのだ。 リラックスするのが下手で、緊張もしやすいタイプだったからなおさらだった。 そんな私には、大人になってからも、母と一緒に暮らしているときにマッサージに行くと言う選択肢はなかった。 お金の無駄。高すぎるのだ。 そもそも「肩など凝らない家系」なのだから。

しかし、１年半前より社長になり、夜寝むれなかったり、朝早く目覚めてそれっきりだったり体力を消耗していた。 また、やりたいことや手掛けるべきことが上手くいかなかったり、 協力してもらいたい人にタイミングよくしてもらえなかったりと、ストレスは貯まる一方であった。 ストレスを処理しきれなかった。 身体がいつもガチガチに固くなっていた。 どうしようもなくて全身マッサージをしてもらう羽目になったが、私には贅沢過ぎると感じていた。 しかし、寒さと健康維持のためにやむなく時々それは必要となった。

ところで、会社を維持継続・発展する必要条件とはなんだろう。
１）社長が健康で元気で情熱を持って生きていること。
２）会社経営の責任感があること。
３）社長が万が一の時にも会社が動くように対策を取っていること。
４）社長の代わりになる人を育てていること。
５）社長が夢やビジョンを語り続けていること。

これが正しいかどうかは分からないが、今の私はこう思っているのだ。 よく見ると主語は全て「社長」である。

ではわが身に振り返ってこのようなことが出来ているのかどうかというと、健康・元気・情熱と責任感はあるけれど、他にはないかもしれない

社員に気を使っているのに、自分のことをさっぱり気にしていなかった、なんてことが良くある。 これでは駄目ではないか。 夢やビジョンを語り、元気でエネルギッシュに動き回り、社員にやる気を起こさせなくてはいけないのだから。 だからまず、社長が心身ともに健康でいることが大前提だったのだ。 元気よく情熱を注ぎ、責任を果たすためにも本物の健康を目指したい。 社長の仕事の前提は、元気に生きていること。 健康でいること。 運動の習慣のない最近の私だが、来年は健康に会社を引っ張っていくためにも何か運動をしようと思う。 それが社長の責任とも繋がるだろう。

前社長は亡くなる３週間前まで歩いて自立した生活を送っていたのだから見事である。 ８８歳の亡くなる時まで現役の社長であった。